Q: どのように食事をさせたらよいのでしょうか?
A: どのような状態で介護が必要なのか判りませんし、痴呆があるのかないのか、もしあるとすればどの種類の痴呆なのかによっても違いますので、ここではごく一般的な食事の介護についてお答えします。
1)食事において大事なことはまず介護される本人が十分覚醒していることです。十分覚醒していないのに食事をさせるとむせたり誤嚥の原因となります。良く覚醒していることを確認しましょう。
2)もし十分覚醒していない時は食事の前にブラッシングをしてあげるとか、歯のない人であればガーゼや第一回目で紹介したトゥースエッテのようなもので口腔内に刺激を与えながら清掃して下さい。歯茎や粘膜を刺激することで覚醒し、摂食機能も向上します。
3)普通の食事ができる人はお箸で少しずつ口の中へ入れてあげましょう。決してあせらず相手の飲み込むタイミングに合わせて食事を運びましょう。キザミ食や摺ったものが多い時はスプーンを使って食べさせてあげましょう。この時大事なことは、なるべく浅いスプーンでスプーンの先1/3位の所に少なめに食事をのせて唇で挟んで取れるように工夫しましょう。
4)食べこぼしやうまくスプーンから摂食出来ない方は、日頃から唇のストレッチやブクブクうがいあるいは口笛を吹いてもらうなどの動作をしていくことで軽い障害は取り除かれます。要は焦らずゆっくりリハビリを続けることです。
5)食事の介護をする時はされる方と同じ目線の位置で行いましょう。あまり上の方からスプーンやお箸を運ぶと顎が上がってしまい摂食しにくく、むせたり誤嚥の原因となります。相手の顔を良く見て、介護される方も食事が見えたり良いにおいがする方が食欲も増進されます。
Q: 義歯が入っていますが取り外しや洗った後の入れ方はどうすればよいでしょうか?
A:
これはよくある質問で介護がご専門の方も特に部分入れ歯はどうしたら良いか解らずそのままにしていると答える人が多いのです。
まず総義歯の場合ははずす時は上顎なら前の方を持ち、後ろに空気を入れるように奥を下に下げれば外れます。下顎は左右どちらか義歯の端を持ち上げると外れます。入れるのは今の逆に、上顎は奥から吸着させるように押し付けます。この時人によっては前の顎の骨が出ている人がいますので、引っ掛けて怪我をさせないように気をつけましょう。下顎は片方の手を顎の下に添え、まん中からそっと押し下げて下さい。しっかり吸着したらしっかりかみ合せてもらいましょう。
部分入れ歯はバネが付いていて複雑な形をしています。しかし基本的には残った歯の上にバネをおき、ゆっくり力を入れるとちょっと抵抗があってその後スっと入ります。決して噛んで入れないようにして下さい。バネが曲がったり、プラスチックの部分が割れてしまうことがあります。
はずす時はバネに爪をかけ左右同じように真直ぐ引き下げて(上げて)下さい。バネが細く変形する恐れのある時は歯科医に頼んではずすのに便利なポッチや爪をかける場所を作ってもらいましょう。無理に出し入れすると義歯が変形してあわなくなります。よくできた義歯ならほとんど抵抗なくスっと入りピッタリ吸着しているものです。
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