Dr.トゥースの「予防」の手紙
[7通目の手紙] 歯科医師のモラルハザード
健康を積極的につくるために

むし歯になったほうがいい?

回は「もしむし歯になっても、その治療費が安ければ『むし歯にならないように努力すること』より、『むし歯になってから治療すること』を選んでしまう、『患者さんの側のモラルハザード』」についてお話しました。

ると、Yさんがメールをくださいました。「『歯科医師側のモラルハザード』ってないのですか?たとえば、『むし歯を削って詰め物をするほうが、予防に取り組んでむし歯を減らすよりも、収入がいい』など…」――おっしゃる通りです。そういう考え方で歯科医師が「予防」に取り組むことに消極的になりがちになるのでは、という懸念はあります。実際の保険の制度も、予防より削って詰めることに重点がおかれています。

現状の中でも「予防」に取り組んで

れども、私たち歯科医師は「国民のみなさんの健康を積極的につくっていく」ことをめざしています。保険制度に不充分な点があればそれを変えていく努力もしたいと考えています。そのためには、現状の中でも「予防」に取り組み、「国民の健康のためには歯科における予防が大切である」という意識を広めていくことが大切だと思っています。

して、そのために、私たちが専門家として皆さんに「歯の大切さ」をお知らせし、診療室で「予防」を実践していきたいと考えています。

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