[6通目の手紙] 「モラルハザード」は流行語?
目ざすのは「生活の質」の向上

倫理の欠如

近の新聞に「モラルハザード」という言葉がよく登場しますね。「モラルハザード」とは、「倫理の欠如」。経済学の専門用語です。その意味は、「社会全体の利益を考えずに、自分の利益だけを追求すること」。金融機関が、自分の会社を守るために社会的利益を損ねてしまうことなどが代表例としてよくあげられます。

た、クレジットカードで限度額以上に借金しても「自己破産」すれば借金返済を免れるしくみがあるのなら、「自己破産するまで借りてもいい」という考えになることなどでも使われる言葉です。

歯のモラルハザード

科界でもこの「モラルハザード」という言葉が使われることをご存知ですか?たとえば、「もしむし歯になっても、その治療費が安ければ、『むし歯にならないようにするために努力をすること』より、『むし歯になってから治療すること』を選んでしまう」ことなどがあげられます。

かに、日本のような健康保険制度がないアメリカでは、歯の治療にお金がかかるため、むし歯にならないために努力する人が多いといわれています。一方、保険制度がないことは、経済的に苦しい人が「歯が痛くても、治療できない」という側面も生み出しています。

生き生きと暮らすために

たちは、「予防」のために努力して「いつまでも、おいしい物を自分の歯で噛めること」を願っています。それは、ただ歯がある、ないという問題でなく、自分の歯がそろっていることが、人生を積極的に生き、歳を取っても生活の質が高く保たれることにつながるからです。

なさんも気づかぬうちに「歯のモラルハザード」に影響されていませんか?ちょっと考えてみてください。

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