食べる喜び そのお手伝い |
月に2回、特養老人ホ−ムに摂食治療に行っています。 老人ホ−ムの看護士さん、栄養士さん、実際に介助にあたっているケア−ワ−カ-さんなどのスタッフから、摂食治療をする人を依頼される場合がほとんどです。 たとえば、食べる意欲がない、量が減った、時間がかかる、水分でむせ込んでしまう、口の中に食べ物をため込んでしまう・・・など、いろいろです。 でも、今回は、本人からの要望で摂食治療になりました。 Kさんは、前の病院で、お粥と刻み食でした。老人ホ−ムに移ってからも、同じ食事形態でした。Kさんは、お粥より普通のご飯が食べたいと老人ホ−ムのスタッフに言いましたが、普通のご飯を食べても大丈夫かがわかりませんので、Dr.島田の登場です。 まずは、Kさんのお口の中の健診をして、歯とかみ合わせをチェックします。そしてKさんに実際にご飯をたべもらい、摂食機能評価をします。姿勢、手の動き、唇の動き、舌の動き、咀嚼、嚥下など、いろいろチェックします。ご飯を食べた時、Kさんの表情が変わりました。うれしそうです。摂食機能もOKです。でも、一口量が多いのと食べるペ−スが早いのが気になります。 「ご飯、おいしいですか?」 「とてもおいしいです。」Kさんはうれしそうに言います。 「お粥からご飯に変えますが、約束があります。一口量が多いので、少しずつ食べてください。それと、もう少しゆっくり、よく噛んで食べてください。いいですか?」 「はい、わかりました。」とKさんがうなずきました。 Kさんの主食をお粥から、普通のご飯にかえることになりました。食事中にスタッフに、一口量とペースをみてもらい、声かけをしてもらうことにしました。ただ、調子の悪い時は、お粥にすることにしました。 でも、心配があります。今後もKさんの食べる機能が同じとはいきません。またお粥にしなくてはならない日がくるかもしれません。摂食治療の難しいところです。 |
<2008.7.11> |
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