摂食障害治療の現場から(2)
て老人ホ−ムの3階の食堂にやって来ました。その人にあった食事をとってます。普通食、きざみ食、ゼリ−食など。

「Dさんお元気ですか?」
「う…」とうなずいてます。でもDさんの前には食事はありません。
実はDさん、先月脳梗塞で入院していました。老人ホ−ムに帰ってきたときには半身麻痺になり、しゃべることも食べることもできず、食事は胃にチュ−ブで流動食を流しこみます。でも口から食べることができるよう治療をしてます。今日はヨ−グルトを少し食べる練習をしました。口から食事ができるようになってもらいたい。でも無理すれば、気管につまらせたり、肺炎を起こしたりしますので、気をつけなくてはなりません。

「Eさん、きょうは唇のマッサ−ジはやりましたか?」
「はい、しましたよ」と食事をしてます。でも食べ物をたくさんこぼしてます。Eさんは食事の前に寮母さんが唇のマッサ−ジをします。
実はEさんも前に脳梗塞でたおれ、半身麻痺になってしまいました。そのため食事をしてると、麻痺してる側から食べ物が流れてしまいます。なんとか麻痺してる唇が食事中に閉じるようにマッサ−ジをしてますが、以前よりかはよくなりましたが、まだまだのようです。寮母さんといっしょに根気がいる治療です。

「Fさん食事はおいしいですか?」
「おいしいですよ。」とゆっくり食べています。Fさんは舌のトレ―ニングを食事前にします。
実はFさんも脳梗塞の後遺症で麻痺があり舌の動きが悪いため、食事がしにくくなってきました。舌の動きをよくする治療をしてます。

食治療は根気がいります。また寮母さん、看護婦さん、栄養士さん、など多くの人の協力が必要になります。

は4階の食堂に行きましょう。
(つづく)
<2002.1.16>

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