理解をしていただきながらの治療
根気が必要だが…
「かぶせていた銀歯がとれちゃったんで、またつけてください。」とKさん。
「まずはどういう状態か見させてください。」とDr.島田。

〜ん、とれた歯は根っこだけになっていて、かなりむし歯が進んでしまっている。他の歯も結構むし歯があるし、歯周病もありそうだ。
「この歯はかなりむし歯になってしまっていますので、かぶせるのは難しいですね。」
「エ−、痛くないんですよ。とりあえずかぶせてくれればいいんです。」と怖い顔でこっちをにらみつけながら、命令口調です。

「ではまずはどのくらいむし歯がすすんでるかレントゲンをとらせてください。」しぶしぶKさんはレントゲン室に行きました。
やっぱり歯の根っこ全体がむし歯になってしまっている。このままかぶせてもすぐとれてしまうし、化膿してしまうかもしれない。となりの歯にも悪影響がでてきそうです。でもKさんはとりあえずかぶせてほしいんだろうな。なるべく歯医者に行きたくないだろうな。でもしっかりなおさなくては、結局はKさんが困ることになってしまう。

「この歯は残念ながら残すことができません。むし歯の末期の状態です。」
「なんで抜かなくちゃいけないのよ。」怒り出した。
やれやれと思いながら、やさしく説明しなんとかもうもたないことをわっかてもらいました。
「じゃ抜いてさし歯にしてください。」
「……」今度はさし歯について説明しなくちゃ。とほほほ…。

し歯は残った歯根に土台をさしこんでかぶせることで、歯のないところにさすことではありません。誤解しやすいので、私はさし歯という言葉はつかいません。たとえば、「根っこに金属の土台をさし込み、それにかぶせます」と、模型や図を見せて説明しています。
<2001.2.14>

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