摂食指導の甲斐なく…
在宅診療日記その3
人ホ−ムで会議中です。
看護婦さん、栄養士さん、寮母さん、そして摂食指導医のDr.島田、Kさんのことで話し合いをしています。

んな暗く黙り込んでいます。
「そろそろ限界ですので、担当医に相談しましょう。」と言うと
「そうですね。」とみんなが納得しています。

さんは介助してなんとか食事をしていました。前に何回も誤嚥性肺炎を起こしています。食べ物が肺にはいってしまい、それが原因で肺炎を起こしてしまうのです。摂食治療を行なってきましたが、だんだん機能が低下して最近ではずっと寝たままです。話しかけても反応がありません。そして口からの食事ができなくなってしまいました。このままでは脱水状態になり命に危険があります。

当医師に報告し、家族に相談し、とうとう口からの食事をあきらめ、胃に穴をあけてチューブをいれることになりました。

をさますことなく、動くこともなく、食べることもないKさんがいます。
ただ朝と夜にチューブに流動食を胃に流し込みます。
どうして人は老いていくのだろうか。どうして命には必ず最期があるのだろうか。
人生は1回しかないんだと、だからがんばりたいと思うDr.島田であった。
ベッドの横の写真には、元気なKさんがこちら見て笑っています。
<2000.10.11>

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