僻地に生きる歯科医
ウソも方便というけれど・・・
間一般では「ウソも方便」といって悪意がない多少のウソは世の中の潤滑油的なようなものでほどほどなら許されるらしい。ところが最近ではそのウソも言い訳として使われるようになると、かえってその人の人間性を下げてしまう結果になりかねない。

し前であったが「後期高齢者」の保険証配布の時でもトラブルが多発した。全国的に後期高齢者用の保険証が4月1日までに該当者に届かないといった事例が頻発した。しかし、当地では役場職員の懸命な努力で3月中に該当者全員に配布を終了したそうだ。施行前日に、ご丁寧にも役場の国保係から明日からは問題なく実施ができるという案内まできた。

ころが、いざ4月に入ってみると、後期高齢者受給者証を忘れた人の中には平然と「まだ、役場から送ってきていない」などという方が続出した。こっちは、全て「ネタばれ」の状態なので笑いながら聞いていたが、中にはこのことから行政批判・役場批判をとうとうと受付でされた方がいらっしゃった。

の例であるが、予約をしても無連絡で来ない方がいらっしゃる。彼等に言わせると、「携帯電話で連絡をしようとしたが、丸一日携帯電話の圏外の所にいた」とか「あまりにいそがしすぎて連絡する暇すらなかった」等とおっしゃるが、日本で普通に働いて「丸一日携帯電話が通じない所」っていうのは一体どんな所なんだろうか?ちょっと考えても、飛行機の中とか炭鉱、トンネルの工事現場などしか思いつかない。しかも、20代の子供がいらっしゃる方でこのような方は、一体どこのことを言うのか非常に興味がある。

約をとる時に行き違いやカン違いは少なくない。でも、遅刻した方に限ってほとんど全員が予約券を忘れていらっしゃるのはなぜなのだろうか?(しかも、その次にいらっしゃった時には、ほぼ全員が予約券を紛失されているのはなぜだろうか?)

た、急に雨が降ったりすると「急用が出来て・・」と判で押したようにキャンセルの電話をされる方が特に高齢者に多くいらっしゃる。60歳を過ぎて「雨が降ると出来る急用」っていうのは一体何なのだろうか?非常に興味がある。

れと、急患の患者さまでサイフを忘れていらっしゃる方が数人に一人はいらっしゃる。なんでも、「あまりに急いでいたのでうっかり財布を忘れてきた」とのこと。急いで来た割にはなぜかこういった方はほとんど全員が遅刻をしてくる。(来院したらすぐに治療が始まるとわかっているので急ぐ必要はないからだろうか?)中にはちゃっかり、帰りの買い物の代金などを借りようとする方もいらっしゃるがそうは問屋がおりないのだ。案の定、それっきりになるケースが少なくない。

も、こういった事柄は1年も受付をやっていると簡単に見抜くことが出来る。ある歯科医院ではこういった患者さまを断るために「恐れ入りますが3ヵ月先まで予約が一杯です」といって断るそうだ。風の便りによると実際に3ヵ月後来院された方がいらっしゃって今では「半年先まで一杯です」と説明しているそうだ。どっちもどっちかもしれないが医療不信だけは確実に増強されていると思うのは私だけだろうか?
<2009.8.5>

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