僻地に生きる歯科医
キッズコーナーを作りました
近の歯科医院には「キッズコーナー」と称して子供を遊ばせる施設を持つ歯科医院が増えてきた。私の診療所では以前は私の事務スペースになっていたところに「キッズコーナー」を作った。初めは、兄弟が診療している間、お母さんと兄弟が待つことを想定して作った。ところがフタを開けてみると(たしかにこういったケースもあったが)お母さんが治療をしている間に子供を預かるというパターンが結構出てきた。それもほとんどが乳幼児である。

母さんから離れると火がついたように泣き出す。特に乳児の場合は一旦泣き出したらなかなか体制を立て直すのが困難だ。それに最近ではいわゆる「ダキグセ」がついている子供が多い。

際にウチのスタッフが乳児を預かると最初は火がついたように泣き出した。ところがスタッフが乳児をあやし始めてから半年が過ぎ、さらに一年を過ぎる頃には、診療中ずうっと泣いている子供がだんだんと少なくなってきた。スタッフがコツをつかんできたのである。また、「この子はいずれ慣れるな!」と思える乳児も体感として感じ取れるようになった。

うなると、困ることも出てきた。というのは最近、おばあちゃんが孫と一緒に暮らしていないケースが多くなった。そうなると、診療の間だけ子供をあやすためにおばあちゃんが診療所にいっしょにやってくると火がついたように泣き出す。ところがウチのスタッフが抱くとピタリ泣き止む。そしておばあちゃんのところへ戻るとまた火がついたように泣き出す。さらに困ったことにウチのスタッフに抱かれる時には、両手をウチのスタッフに伸ばすのであるが、おばあちゃんへ戻る時には決して手を伸ばさないのである。こうなるとおばあちゃんの面子は丸つぶれである。こういったことを数回繰り返せば、おばあちゃんは確実にこなくなってしまう。(そしてそのおばあちゃんは他院へ通院するのである)

ういった小さな子供たちを相手にしているウチのスタッフにも変化があった。とにかく「自分の子供がほしい」というのである。私の若い頃、若い女性は自分の好きな男性の子供をほしいといったものであったが最近では事情が違うようだ。(とにかく「自分の子供」がほしいそうだ。)

る統計によると東京に住んでいる若いお母さんの半分以上は最初に触った乳児は自分の第一子であるそうだ。個人的な見解であるが人間間の愛情、特に子供と親とか子供と祖父母などは頻繁にあっているというのが愛情を育む上で大切なことであると思う。

つての日本ならこういった乳児に触れるということは親族間や近所でごくごくあたりまえなことであったが、最近ではマレなことになってきてしまった。昨今言われている少子化にもこういったことは多少なりとも関係があるような気がしてならなかった。
<2007.5.9>

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