平成18年の健康保険の改定で明細入りの領収書の発行が義務づけられた。ご存知の通り、健康保険診療は役所の審査を毎月受けて一部負担金等が決定する。そのため、数ヵ月後になってから、減額やまれではあるが増額されることも少なくない。当然、窓口の金額と「医療費のお知らせ」の金額が微妙に異なる場合がある。
先日、ある患者さまがいらして「レシートは判をおしていないので領収書としては適切ではない。ついては正式な領収書を発行してほしい」という依頼があった。「押印していなくても、様式や項目が適切なら領収書として使っても差し支えないですよ」と説明してもなかなかわかってもらえなかった。その後、よくよく話したら「レシートをなくしたので再発行してほしい」ということであった。以前は領収書をなくす患者さまというのは大体決まっていたので、このような方には後でまとめて発行していた。ところが、この方式はダメと歯科医師会から言われたので毎回発行することにしたが、やっぱりこのようなケースがでてしまった。 最近では、共済組合などで医療費の還付に関する書類を持っていらっしゃる患者さまが増えてきた。中には「医療機関で書類を記入してほしい」と用紙を持っていらっしゃる方も少なくない。以前はこのような方は後日「○○円戻ってきたのでそのおすそわけね!」と言ってケーキを持参してくれたりもしたが今ではそれもなくなってしまった。それどころか、申請用紙に名前すら記入しないで白紙のまま持ってくる方が増えてきた。組合によっては本人が記入することを義務づける所も増えてきたので、今年から申請用紙に記入してあげるサービス?は中止することにした。 一部の組合であるが、同じ組合でも医療機関の支払い証明の他に領収書を添付することを求めている場合と求めない場合がある。先日、その組合の本部になぜこのような扱いに区別があるのかと聞いたことがある。その回答が面白かった。なんでもかつて、組合に関する事項で不正をした、または不正と思しきことをした方には領収書の添付を特にお願いしているそうだ。また、学校の先生の組合などは10円違っても東京から電話や80円切手を貼って書面で照会がある。厳正であることは望ましいが、程度問題であると感じる場合も少なくない。 医療機関での領収書は、主に医療費控除と高額療養費の請求に用いられるケースがほとんどであるような気がする。なかには高額療養費の請求をした後に、医療費控除に再度使う方がいらっしゃる。しかも、高額療養費を請求したら適当に領収書を抜いて、医療費控除に使うのである。高額療養費で還付された分は確定申告で申告しなくてはいけないが、申告していない方もいるようだ。 それと毎年あるのだが、年末調整の時に会社に医療費の領収書を出す方がいらっしゃる。日本の税制ではサラリーマンの場合は若干毎月やや多めに所得税が徴収されているので、ほとんどの方が年末調整でいくばくかのお金が還付になる。これを医療費控除と勘違いされる方が毎年いらっしゃる。これはいくら説明してもわかってもらえない。以前この仕組みを詳しく患者さまに説明したら、会社に相当あとになってから「医療費の領収書を返してほしい」と泣きついたらしく、後日会社から「余計な知恵は吹き込まないでほしい」と強い調子で抗議がきたのでこの類の説明を止めてしまった。 毎年、確定申告締め切りの前日または当日に、「昨年の領収書を月別に整理して作ってほしい」という方がでるが、今年は全員に毎回領収書を発行しているので来ないはず…と信じているがどうだろうか? それと不思議なことに「急いで領収書を作ってほしい」という方に限って領収書を取りに来ない。机の引き出しには20枚くらいこういった領収書が眠っている。なんでもこういった領収書は5年間保存しなくてはいけないそうだそうで、困り物である。 |
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| <2007.4.20> |
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