僻地に生きる歯科医
深夜・早朝の急患の電話に・・・
近、平日の深夜・早朝に診療の依頼が来るようになった。私の携帯電話の電話番号を患者さまに公開してからのことだ。本来は私のところで診療中の患者さま用だが、ほとんどが他の歯科医院の患者さまからだ。特にある歯科医院の患者さまが異常に多く(全体の2/3以上も占める)、さながらその歯科医院の付属の「時間外・深夜診療所」となっているようだ。

日も夜11時に診療の依頼があった。普通なら診療をするのだが、その日は酒を飲んでいたので断った。すると「急患の患者が来るのにのんきに酒を飲んでいいのか?」とお叱りを受けてしまった。私は「いつも私は酒を飲むときは、夜10時まで飲まないでいるから連絡はその前にしてほしい」と言ったら余計激しい調子でお叱りを受けた。

して深夜1時頃「もう、酒は抜けただろう。」と電話がきた。この時間では酒が抜けるはずはない。丁重に断ると午前3時頃再度電話が来た。さすがの私もこれには頭にきた。こんなに頻繁に電話が来たら寝られないと言うと、「あんたは寝られないというけれど、私は痛くて一睡もできないのだ。」と言われた。あまり激しいので「あなたの主治医の先生に聞いてみてはいかがですか?」というと、「こんな夜中に電話をかけたら失礼だし、心証を悪くしたくないから」などと訳のわからない理由を言い始めた。

にきながらも努めて冷静に振舞い、「明日、9時から診療をするが8時30分より受付をするので8時30分前に来院してほしい。一番最初に拝見するので・・」といって勘弁してもらった。(予想通り来院されなかった。深夜に電話が来て翌日一番に予約をとっても、ほとんど全員が来院しない)

前、診療時間外の急患といえば休日の午前中と相場が決まっていたが、最近では休日の午前中はほとんどいらっしゃらない。一番多いのは、休日の休日当番の診療時間が終わってからだ。ついで土曜日の夜、さらに診療が終わってから1時間くらいしてから・・・とさまざまだが、共通しているのは夕方から夜にかけて多いということである。しかも最近では圧倒的に平日が多い。さらにこれらの患者さまは、ほぼ全員が途中で治療を中断してしまう。しかも予約を取り来院しない、また予約を取り来院しないをくりかえすケースが多い。悩みのタネはこれだけではない。切れた保険証を故意に持ってきたり、料金の滞納をする患者さまが非常に多い。だから、休日・時間外の診療はこういったリスクをかかえて診療をしなくてはいけない。さらに休日・時間外加算に不満を持ち、クレームになるケースが少なくない。

かしこういったリスクを抱えてもマスコミは「診(み)て当然!」といったスタンスは崩していない。当然、患者さまも「休日・時間外を診(み)て当たり前!」と思ってしまう。だから休日・時間外でも診る先生はだんだん少なくなってしまった。

れだけではない。最近では国保の滞納者に健康保険証を渡す代わりに「資格証明書」なるものを渡すようになった。これは診療所で診療報酬の10割を払い、後で役所で7割相当分を払い戻すシステムだ。我々診療側からみると滞納者のツケを医療機関にフッただけの制度にしか見えない。

らに休日・時間外の患者さまが強盗に早変わりした例もあった。このことを報道した雑誌では、「休日・時間外の診療は拒否するのが治安上好ましい」とも書いてあった。
<2005.9.7>

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