僻地に生きる歯科医
金が仇の世の中なれど(その2)
2回続けてカネの話をしてしまった。介護の世界でもカネが仇に思われる場面も少なくない。先日、私の患者さまで在宅訪問診療(往診)をしていた患者さまが亡くなった。非常に質素な生き方をしていた方で、服装も質素であった。住宅の改修もしないで、そのため廊下で転倒し結果として亡くなってしまった。それからしばらくして4人の子供たちが、その患者さまが持っていた国債を換金に来ていたところにばったり出くわした。見ると、国債100万円券が数センチもあるのである。それを見て、もしこの1枚でも生活にあてたら、今も元気でいたかもしれないと思ってしまった。

て話は変わって一時期、学校の先生や公務員の方で、定年退職した時に退職金の半分をもらって離婚することがもてはやされた時代があった。私の患者さまでもこのような方が数人いらっしゃった。

る日治療中に、患者さまが「私リコンを考えているんです」と言った方がいらっしゃった。すると退職金半分をもらってリコンした患者さまがその方に、「リコンは世間で言うほど甘くはない」と言っていた。なんでも退職金を半分もらっても、年金は国民年金の最低限のものしか出ないので、終身働かなくてはいけないそうだ。でもそれだけならガマンはできるそうだ。許せないのは学校の先生や公務員の方がリコンすると、非常に高い確率で再婚するそうだ。しかも自分より「若くてキレイな人と再婚する」のが許せないそうだ。というのは公務員の年金制度では、奥さん(3号被保険者)は支給されるときの配偶者が権利があるのだ。つまり途中でリコンしても、権利はほとんどすべて新しい奥さんのもになってしまうそうだ。こうなると世間の女性はこういった男性を放っておくハズはない。こうして幸せそうに余生をおくっている元旦那と若くてキレイな人を尻目に見ながら、自分は死ぬまで働くことに耐えなくてはいけないそうだ。

れと同じようなことが介護の世界でもある。信じられない話だが、自分の配偶者が介護が必要となるとリコンする人が結構いる。しかし厚生年金に長年加入していた方(男性)が介護が必要となった場合は、ほとんど奥さんからリコンされることはない。しかし反対に、奥さんが介護が必要になった時にリコンされるケースも少なからずある。人生の終盤になってこのような仕打ちをされるとは、傍から見て胸が痛む。

かし中にはやりきれなくなるカネの話もある。体が不自由な子供が長期入院すると、親と連絡がとれなくなってしまうことが結構にあるそうだ。しかも両親がリコンすると話はもっと複雑になるそうだ。子供の方も自分が親に捨てられたことを悟ってか、「ママは今度いつ来るの?」などとは質問しないそうだ。しかしこういった子供の親を探し出す簡単な方法がある。それは年金を支給することだそうだ。この年金には不思議な魔力?があり、「特に親を探し出す努力」をしなくても親の方から「親ズラ」をして名乗り出てくるそうだ。これには長年のベテランスタッフでも怒りを覚えるそうだ。

ネのことでふた月続けて書いて、ひょっとしてコムネットの品格を下げたかもしれない。もしそうなら勘弁していただきたい。最後にカネにまつわる江戸時代の川柳を1つ。

 カネが仇(カタキ)の世の中なれば 早く仇(カタキ)に巡り合いたい。
<2004.12.1>

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