僻地に生きる歯科医
もうひとつの8020

なさんは8020運動というのを御存知でしょうか?8020運動はハチマルニイマルウンドウと読み80歳の時点で20本の歯を残すように日頃からオーラルケアに努めましょうという運動である。最近ではTVのCMにも出てきて中には知っている方もいらっしゃるのではないかと思う。当然、我々歯科医師も知っていなくてはいけないのであるが、歯科医師会の集まりなどにでると「ハッセンニジュウってなんだ?」とおっしやる先生も少なからずいらっしゃるのもまた事実である。

の診療所でもこの8020運動のポスターを待合室に掲示しているが、時々「8020運動ってなんですか?」と聞かれることがある。ある日、ある患者さんから面白いことを聞いた。経営の分野で「8020の法則」なるものがあるそうなのである。なんでも全体の80%のことは20%の人や対象でなされるそうである。たとえば、商店の売上げは平均して20%の優良顧客が全体の80%の売上げをもたらすそうだ。極端な例になると銀行は10%の優良顧客が利益の130%をもたらすそうで、これが最近一定の残高がないと手数料を取る傾向の一つの論拠となっているらしい。

の診療所でも必ずしもこの傾向は外れてはいない。たとえば遅刻の回数も全体の20%程度の患者さんが全体の80%以上を占めるし、当日や無断キャンセルの回数も20%程度の患者さんがほとんど(80%以上)をしめている。おもしろいことに遅刻や当日・無断キャンセルが多い人の親・兄弟・子供、場合によっては親戚も概ね同様の傾向にある。

んなわけだから、一部の先生の中にはこのような人やその親族の診療を断わる方もでてきた。直接断わると角が立つので「今日の急患の受付は終了しました」「予約は半年先までいっぱいです」とか「紹介状をご提出ください」などとそこは上手に断わっている。

の診療所では遅刻、当日・無断キャンセルで開いた時間は1週間平均で3〜4時間以上に達してしまうことも時期によっては珍しくない。もし当日・無断キャンセルが完全になくなってしまうと完全週休2日制をとってもまだあまることになる。しかもこの時間は消毒をしっかりすませ冷暖房を効かせて準備しているのだから相当の経費がかかっているのである。今後、このような患者さんが予約をないがしろにしていくととんでもないような事態が進んでいくような気がしてならない。

営の効率化が叫ばれて久しいが一部の患者さんを排除して成立つ経営の効率化(医科の病院や介護の世界では一部において当たり前になっていると耳にするが)であってはこまる。これは色々な形を変えて我々に忍び寄ってきている。経営と診療理念の両立は頭の痛い問題である。
<2003.2.5>

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