僻地に生きる歯科医
年末年始の歯科事情(3)

年も年末年始に家族と旅行に出かけた。診療所にかかってきた電話は私の携帯電話にかかるように設定し、出来る限り対応していたつもりだが、何人かの患者さんから御叱りを受けてしまった。12月30日〜1月3日まで述べ37件の電話があった。内28件が急患の患者さんからであった。

ず毎年、年末に正月三が日で義歯を作ってくれという依頼がある。技工士も休みであるので無理であると伝えてもほとんどの場合「私は毎日でも来れますので大丈夫です」とおっしゃる。スタッフその他が正月休みですと説明してもなかなか分かってもらえない。

年年末に歯や歯茎が痛くなってしまう方が5〜6人くらいいらっしゃる。普段は自覚症状がないのだが、どういうわけか年末年始に症状がでるのである。本当は普段キチンと治療しておけば問題がないのであるが、仕事が忙しいとのことでついつい伸び伸びになっているケースがほとんどである。そういった方(ほとんどが会社の社長であるが)にはクリスマスのころに電話を入れておいた。中には忙しい時間を割いて来院して頂いた方もいらっしゃった。

近の急患の特徴として痛くないのに診てくれと言う方が急増していることがあげられる。なんでも平日は仕事を休んで受診しなくてはいけないのでこの際急患で御願いしますというのである。どうも急患の意味が分かってもらえない様だ。またもう1つの傾向として「歯が痛い」よりも「歯茎が腫れた・痛い」が圧倒的に多くなっている。今回「歯が痛い」と訴えた方はわずか2名であった。

には常識を疑ってしまう電話もある。少し前の年であったが元旦に「歯が痛い」といって診たことがあった。普通は感謝されるのであるがこの時は患者さんから御叱りを頂いた。なんでも「元旦に痛くなるような治療をする歯科医師に問題があり、あなたも同業者なんだからよく○×先生には言っておいてくれ」といわれたことがあった。また「デパートが元旦からやっている時代にのうのうと正月を休んでいる医療従事者の態度が今の医療事故や医療不信の原因の一つだ」とも電話で頂戴した。

始に少し遠出をしたので急患をやむなくことわった。中には年明け一番で診て欲しいと予約まで取った方もいらっしゃったが、結局来院されたのはわずかに1人だけであった。これも最近の特徴の一つであろうか?
<2003.1.8>

INDEX