コミュニケーションギャップ

が訪問診療を始めてから11年目に入る。その間、多くの病院・診療所・施設等へも出かけた。ここに少し気になるデータがある。これは社会福祉施設にて働く方々に対して「あなたは施設内でだれとはなしにくいですか?」という設問に対するものである。結果は大方の予想どおり「医師、歯科医師・看護婦」が嫌われ者(?)御三家であった。この設問はさらに医師・看護婦にも同様な設問を設けている。結果は断然歯科医師が嫌われ者(?)トップであった。これで果たして本当に訪問診療が出来るのか非常に不安になった。

院のミーティングの際この話をしたところあるスタッフが「歯科医師のことを嫌いなのではなく、単に話しかけにくいのではないか?」と発言した。私はこの言葉で小さな希望が湧いて来た。次の日から訪問診療の時には、全てのスタッフへ私の方から声をかけた。初めのうちは皆面食らっているようだったが今では街で会っても先方から声をかけてくれるようになって来た。

ころが医師と看護婦の方はどうもしっくりとはいかなかった。そこで私は医師とは月に1回治療の進行状況について報告した。
半年もたつころには医師とはジョークの1つも交えた雑談をするようになった。看護婦についても全員という訳ではないがそれなりにコミュニケーションがとれるようになってきた。

うこうしているうちに、事務系職員とも話せるようになってきた。そして彼等とつきあっているうちに事務長の権限の大きさ、そして事務長の良し悪しがその施設の経営を左右していることに気づいた。総合病院でさえも場合によっては医師である院長よりも事務長の方が実質的に上であることも少なくない。

在の大病院では、医師は診療に専念させ、人事はおろか経営そして新人教育まで全て事務長の裁量下にて行っている所も少なくないと聞く。

々が今後も施設等での訪問診療を続けて行くには、ぜひとも事務長の我々への理解というものがますます必要となってくるのではないかと思っている。
私の暗中模索の試みはまだ始まったばかりである。
<2001.4.4>

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