第12回 親指さんからの卒業
 今年の春コムタンは、近くの幼稚園に晴れて入園いたします。

 生まれて初めての社会への旅立ち!お着替え・お弁当・おトイレなどなど、デンコさんは心配でなりません。大丈夫かな〜? 今日は入園説明会。入園までの心構えを伺って、制服の採寸と注文を済ませます。

 『あら!産院で御一緒だった優貴くんも同じ幼稚園なのね。お知り合いがいて良かったわ〜。ママの優子さん、お久しぶり!』

 おとなしい優くんは、ママのそばから離れられません。左の親指をくわえて、右手でママにしがみついています。『指しゃぶりがやめられなくって、指にタコができちゃってるのよ!格好が悪いわよね〜』と優子さんは、悩んでいました。

 お口からポンと親指を抜いて見せてくれた時、デン子さんはビックリ!指に出来ているタコよりも、優くんのお口の様子に驚いてしまったのです。奥歯はしっかり噛んでいるのに、ちょうど指の入るサイズくらいに前歯が開いているみたい!

 『おや〜そう言われればそうねぇ〜!』優子さんも驚いて、優くんのお口を見ました。実家の酒屋さんを手伝って忙しい毎日の中、優くんはおばあちゃんと過ごす時間がつい多くなってしまうそうです。

 歯並びは、しっかり噛むためにも大切だってかかりつけの歯医者さんが言ってたよ!できるものなら、止めさせてあげたいわね。『夜、くわえたまま寝てるのよ。今日から左手を握って添い寝してみようかしら?』今なら、歯並びも元に戻りそうな気がします。 「心のサインなのかもしれない」って優子さんは話していました。

 入園のこの時期、親指さんから上手に卒業ができると、きっと自信になることでしょう!あせらずに、あたたかく見守ってあげたいですね。

 桜の咲く頃、また元気に会おうね!コムタンと優くんは、手を振ってお別れしました。

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