第5回 ターゲットはお口の環境
 デン子さんのお姉さんであるサキ江さんは、1歳7か月のユキちゃんを連れて、歯科医院へ行きました。先日の1歳6か月検診で、上顎の前歯に白い変色が見つかり、『虫歯になりかけている』と言われたからです。

 ユキちゃんはママにしがみついて離れられません。結局泣き出してしまいました。ア〜ンと泣いてる間に、先生が覗き込んでチェックを済ませました。

 『この時期の虫歯は、食習慣からの影響が大きいといわれています。ご自宅での様子を詳しくお聞きして、お口の環境を切り替える糸口を見つけましょう』

 サキ江さんは、衛生士さんと話し合い、さっそく自宅で取り掛かれそうな事を、虫歯予防プログラムとして挙げてみました。

1) 常備していたジュースを、お茶や牛乳に切り替えてゆく。 特に、お休み前にストローボトルに入れてあげていた習慣を、早急に改善すること。

2) おやつの時間を決めて、その時間を親子で楽しめるように工夫する。 今、お出かけバックの中に入っているアメは、代用甘味料仕様にかえておいて、必要性がだんだん薄れるように、気を紛らしてあげること。

3) 家族が、楽しそうに時間をかけて歯磨きしているところを見せる。 時には、ママがパパの仕上げ磨きを膝枕でしてみせること。 「いや〜スッキリした!」って、パパにも演技協力をお願いする。





 以上の3点を、さっそく今日から、実行してみることしました。

 今もし、本当の虫歯になってしまったら、ユキちゃんは、今日よりもっと悲しい思いをしなければならなくなるでしょう。健やかに育って欲しいから、サキ江さんは、笑顔の裏に固い決意をしたのです。

 1か月後、お口のチェックと、経過報告のお時間を予約して、歯科医院をあとにしました。・・・取りあえず、やってみよう!

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