第3回 生まれつきのかわいい歯

  うららかな春の日、デン子さんは、元気な男の子コムタンを出産しました。はじめまして、私がママよ。こちらが、パパよ。どうぞ、よろしく!

 さっそく授乳タイム。看護婦さんから習ったように・・・これがなかなか大変!デン子さんも、コムタンも初心者だもの。要領がつかめません。

 「すぐに、慣れて来るわよ。あせりは禁物!」婦長さんが優しく声をかけてくださいました。結局、搾乳して哺乳瓶のお世話になりました。親子共々、無器用なんだ〜 こんなところに、親子の絆を感じたりして。

 コムタンをベットに寝かせて、ふとお隣のベビーをみて、ビックリ! 『この赤ちゃん、もう歯が生えている!』――かわいいお口に、ちいさな歯がチラリ。「そうなのよ、生まれたときには、すでに、生えてたの。」この赤ちゃんのママが話してくれました。彼女も御主人もビックリして、行きつけの歯科の先生に相談されたそうです。

 この赤ちゃんの場合は、白い歯がチョッピリ見えている状態なので、このまま様子をみることにしたそうです。「さっそく、歯磨きしなくっちゃね。」パパにお願いして、赤ちゃん用の歯ブラシを買って来てもらったそうです。

コムタンには、いつ頃、歯が生えてくるかしら?
今から、その日が待ち遠しいデン子さんでした。





〜歯科の先生の話〜
赤ちゃんの歯は、一般に4ヶ月から、6ヶ月頃、下の前歯から生えてきます。今回のように、新生児の時に生える歯を、 先天性歯とよびます。対応は、ケースバイケースです。

先がとがっていて、授乳時に舌の裏側を傷つけるような時は、とがったところを削ったり、虫歯の治療などで歯に詰める材料を使って丸く覆ってあげたりという処置で、様子をみます。グラグラして、抜けて飲み込んでしまう恐れがある時は、抜歯します。特に問題がなければ、そのまま、様子をみます。

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