Vol.12-2002.5 |
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ウェルネスアドバイザー 八雲 ゆき |
前回も立ち姿勢について書きましたが、そのなかでなかなか気がつかないのが「胸の張りすぎ」です。猫背は普段から気にしている人が多いので改善する意識がありますが、「胸の張りすぎ」は本人もむしろ良いと思っているので、なかなか気がつきません。「気をつけ!」としっかり胸を張らせる学校教育がありますし、人からも「姿勢がいいですね」と褒められるので、まさか自分の姿勢が体に悪い影響を与えているとは思っていないんですね。 しかし背骨はとても大切な所で、全身へ神経や血液を供給する太いパイプの役割をしています。そのため背骨のまわりが縮まり循環が悪くなると、血行も悪くなり、頭痛や肩こりの原因になってしまいます。チーターやヒョウのように、走るときや動くときに背骨がしなやかであることは、私達の姿勢や動きにとっても重要なのです。風邪をひくときに固くなったり、熱が出るときに悪寒がはしったり、年齢をとるにつれて固くなるのも背中。背中が柔らかくしなやかであれば、年齢より若々しく健康でいられます。 |
![]() またあばら骨を前と後ろから触ります。胴体が前も後ろも膨らみのある楕円をしていれば良い状態ですが、前側が膨らんでいて後ろ側がへっこんでいる人は、やはり「胸の張りすぎ」です。 「胸の張りすぎ」を直されるとほとんどの人が、「確かにまっすぐきれいな姿勢なんだけれど、自分自身ではものすごく背中を丸めているような気分になる」「力は抜けているが猫背になったみたい」と言います。これがくせものなのです。今までの姿勢は長年染みついたモノですから、5ミリ直すだけでもかなりの違和感があるのです。しかしこれを乗り越えなければ姿勢は改善されません。 |
では背中と胸をほぐしていきましょう。まずは肩・胸・背中にゆるをかけゆすります。肩関節やあばら骨一本一本を動かすようなつもりで、ゆったりとゆすりほぐしていきましょう。できるだけ力を抜いて、ゆすることが大切です。次に「胸を思いっきり反らす←→丸める」運動を繰り返します。(<図>参照)これも脱力して行いましょう。ほぐれてきたら、その一番反ったときと丸めたときの幅を段々に小さくしていき、丁度中間の所を見つけます。それが呼吸が深くなり、肩の力も抜ける胸のベストポジションです。Let's try! |
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