Vol.10-2002.1・2

今、学校では…
東京都 中学校養護教諭 Y・K

[ある日の保健室での会話]

 
生徒Y
「ねぇ先生、お父さんが歯医者さんを教えてもらって来いって」
 
「そーだねぇ、もうそろそろ行かなきゃねぇ。」
 
生徒Y
「わかってるって、だからお父さんも行けって…」
 
「やっぱり校医さんのところがいいかなぁ」

がYちゃんの前歯のう蝕に気がついたのは随分前、そう夏休みが始まる頃でした。永久歯でもありどんどん大きくなるむし歯に「どうしようかなぁ?」と会うたびに自問自答はするけれど、強行な手段を取るわけにもいかず、
「ねぇ、むし歯は歯医者さんにいかないと治らないんだよ。」
と、毎度同じ注意を繰り返すだけ。保健室が独自にできることは定期健康診断の結果にもとづいて「治療のお知らせ」をしたり、事後指導として治療の経過・結果を把握したり、保健指導をして本人に健康管理をする気を起こさせることくらい。

成11年度歯科疾患実態調査の結果によると、12歳の一人平均のむし歯は2.44本であり、平成5年の調査(3.64本)に比べると6年間で1.20本減少しています。ですが、保健室で毎年歯科検診結果を集計していて思う事は、確かに全体のう歯の本数は減少しているかもしれないけれど、一人でう歯の数をかせいでいる子供をなんとかしないと意味が無い、ということです。

局う歯の無い子は全くないか、軽いものが1〜2本。(このタイプは治療のお知らせをしなくても直ぐ治す)そして治さない子が大量のう歯を放置しているのが現状てす。

し歯を放置している子を集めて給食後にブラッシング時間を設けたり、保護者に会うたび連絡したり…。でも結局本人と保護者に治す気持ちを持ってもらえないと、この最後に残ったむし歯は減らない事でしよう。

しでも歯の大切さを知ってもらうために、学校でも様々な工夫をしています。年に2回の歯科健診や、良い歯の日にちなんだお知らせなど。その一部を紹介したいと思います。



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