新・健康ダイヤル
Vol.9-2001.11

和の食材の見直しは、健康生活の必須条件(3)
栄養士 高橋富士子

食の学舎は、家庭の食卓と学校の間に有り
 たくさんの情報の話題。ニュースに取り上げられる食に関する悪い話題の羅列を思い起こすだけでも、狂牛病・遺伝子組み替え食品・キレる子どもの食、朝食の欠食の増加・弧食・加えて給食民託化・・・等々。子ども達の食や生活環境を脅かすものばかり。なぜこれほどまでに悪い話題が多いのか首を傾げたくなります。良い話題を探す方が大変なのだから・・・。
 だからこそ「今こそ食教育を!」と強く掲げたい、掲げるべき時にあると皆考えているのです。しかし、足をすくう大きな問題が・・・。食教育をしたいがその根本である食品が危険なのです。それだけではない、学校の給食が業者民間委託(民託)が都内だけでも13区4市始まっています。虎視眈々と財政難と人件費が安くなるという言葉を楯に、行政は委託をすすめているのです。教育活動を行う学校は聖域では無くなりました。教育委員会が、1円でも安い業者を選ぶために行う入札で、居酒屋の業者が給食に参入するケースもあると聞きます。昼間の給食時間に教育の場である学校で、居酒屋の料理が出てくる、これで教育現場なのでしょうか。本当に私たちの子どもを育てる基盤が崩れている現状です。
それでも食に関する教育は必要
 大人がゆがめてしまった環境で、いつも被害を被る子ども達。そういった子ども達をどうすれば守ることができるのでしょう。自己防衛する知識を幼い子ども達から伝えていく事ではないでしょうか。健康に毎日過ごすためには、こんな食べ物や生活が必要だということを幼い子どものうちから知らせていく・・・。それは「ピーマンマン」のようなヒーローから始まって、栄養素の働きなどを繰り返し、繰り返し子ども達の心に刻み込みたいのです。それが重荷にならないように、子ども達の夢がちゃんとかなうように。
学校と家庭と子どもはいつも往復している
 子どもの記憶とは不思議なもので「今日ね、先生がお母さん美人ねって言ってた」などとおちゃらけた?ことはいつまでも覚えているのに、「人参にはビタミンAがいっぱい入っているんだって」などということは親には伝えません。しかし断片はしっかり頭の中に残っています。それは買い物の時、お手伝いをするとき、食事の時、ふっとした拍子にヒントを得ながら伝えたい言葉がでてきます。「今日、先生が人参のこと話してた」その時「人参の色はね・・・。」と繰り返して言葉にすれば、子どもの記憶の中で「人参」は燦然と輝くヒーロー野菜として記憶に残ること間違いナシ。
義務教育の魂百までも
 夢をかなえることのできる基盤を子ども達の体の中にきちんと作り上げ、生きる力を培う義務教育期間。未来に向けて飛び立つ羽が永遠まで続くように、学校と家庭のとの絆をより一層強めていきたいものです。


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