Vol.63-2006.10 |
前回、入院中の食生活についてご報告をさせていただきました。 調子の悪かった右足の関節を人工のものと入れ替える手術を受け、術後2ヵ月で退院、現在術後4ヵ月を迎えようとしております。 あんなにひどかった痛みも取れて快調です。 さて、空気もからりと乾いて秋のにおいがそこかしこから漂ってくるようになりました。 猛暑が過ぎ、子供たちの夏休みが終わる頃から感じられるこの「秋のにおい」感じるのは私だけでしょうか? 煙のような湯気のようなにおいと、時折それに混じってくるのは枯れ草のにおい、果物のにおいだったり金木犀のような甘いかおりだったり・・・・。 本日、我が家の台所からは「さんま」の焼けるにおいを「発信」中! 気仙沼の親戚から届いた秋の便り、ご近所におすそ分けしたらお返しに「ゆうがお」をいただきました。 「ゆうがおのかにあんかけ」と行きたいところですが「かに」が無いので「かにかま」で代用、針しょうがを添えてできあがり。 さんまを焼きながら、ふと入院中の病院食のことを思い出しました。 それは「骨なし魚」のこと。 その病院は老人介護施設も併設していて食事は「ご年配むき」の内容。 特にデイサービスの利用者を意識してか昼食はお魚メニューが多く出されました。 そのお魚『エックス線でチェックして骨をとった魚』だそうで意識しなければ何のこだわりもなく食べてしまうのですが、何せ入院中のヒマな身、チェックし始めたらおもしろい事がいっぱい。 「切り身」は違和感無く食べてしまいますが「さんまの塩焼き」はハシを付けてから「あれれ?」と首をかしげてしまいました。 さんま一本を半分に切って塩焼きしてあるのですが、良く見ると尾が無いのです。小骨、中骨も無いので食べやすいのですが、「食べ甲斐」も無い。 骨をていねいに抜き取ってから特殊な接着剤(食用の)で貼り合わせるのだそうです。 「無い無いずくしで事故も無い」なんてしゃれてしまった。「骨からじわっと出るのが魚の旨み」だと思うのですが・・・。 そんな病院に10月半ば再入院、こんどは左足に人工の関節を入れる予定です。 魚も人間も「骨」は大切にしなくっちゃ!! 今月のレシピは気仙沼のおばあちゃんの味「さんまの味噌漬け」です。
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