味彩通信
Vol.36-2004.1・2
お鍋で幸せ

 今年は例年に比べて全国的に雪も少なく、どちらかといえば暖冬なのでしょうが、2月ともなればやはり寒さも佳境。こういう時はやはり温かさがなによりのごちそうです。となれば、やっぱり恋しくなるのが鍋料理。

 お隣は韓国のチゲや、中国・四川の火鍋など、アジア各国に鍋料理はありますが、日本ほどそのバリエーションが豊かな国もないのではないでしょうか。湯豆腐、寄せ鍋、すき焼き、うどんすき、おでん、鶏鍋、鴨鍋、ねぎま鍋などなど。まぁ、火の上に鍋をのっけてつつけるのであれば、どんなものでも鍋ものに仕立ててしまうのが日本人。みんなでなごやかに囲む鍋ものもよし、池波正太郎の世界よろしく一人でしみじみ味わうのもまたオツなもの。

 さて、冬になると我が家で1週間に1度は登場する定番鍋料理があります。とても簡単なのでちょっとレシピをご紹介。
 ね、簡単でしょう?でもこれがシンプルにして極上。なにを食べても同じ味になってしまうポン酢やごまだれなどと違って、それぞれの素材の味がよく引き立ちます。ウチでは教えてくれた人の名にちなんで、“今井鍋”と呼んでいるのですが、彼曰くお好みで柚子こしょうやかんずりを入れたり、香りづけにしょうゆをひとたらししても◎、とのこと。そしてアツアツのお鍋には、キンと冷えた日本酒。あ〜、これぞ日本の冬。幸せだぁ。
佐伯明子

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